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アチメ オオオ
タイトルは神楽歌「阿知女作法」冒頭の歌詞。
個人の肖像表現を続けていく上で常に課題として横たわっていたことは、そのモデルたる人物の個人性を作品として提示する際にどの程度前面に出し、提示するかにあった。
本作に出現する水生生物は、人物のモデルである作曲家 松村禎三の作品が備える土俗的性格を反映したものである一方、ある種のデペイズマン(=おもいがけない場所にある違和感)によって、人物を特定の意味性から解放するという思惑もあった。
多くの矛盾を孕んでいるものの、肖像からの展開の先鞭を付けた作品。